
ワインエキスパートの2次試験対策って何をすればよいの?ワイン別のマークシートの回答の参考例が知りたいよー。
という悩みを持っている方は多いのではないでしょうか?私は2019年のワインエキスパート試験にストレートで合格しました。
ワインエキスパートの2次試験は、ブラインドテイストです。
出題されるのは、赤ワイン2種・白ワイン2種・その他の酒類1種ですが、ワインについては「外観」や「香り」や「味わい」のコメントをマークシートで回答します。
正解が明確ではないため、どのように回答すると良いかわからないですよね。
そんな方のために、私が飲み比べをしたワインをワインエキスパート2次試験のマークシート形式に沿ってコメントを記載していきます。
ワインエキスパート2次試験を受験される方の参考になれば幸いです。
★2次試験対策のまとめ記事はこちらです
本日の飲み比べ
本日の飲み比べは下記の白ワイン2種類です。
- 日本産 甲州
- フランス産シュナン・ブラン
日本産 甲州
甲州は日本を代表する品種で、香りが控えめなため、判別が難しい品種でもあります。
今回飲み比べをしたのは、山梨県の大和町で生産されている「勝沼酒造 甲州テロワール・セレクション 大和」ヴィンテージ2018年です。(写真右)
ワインエキスパート2次試験のマークシート形式に合わせたコメントを掲載します。※あくまで参考なので、これが必ずしも正しい回答ではありません
外観
清澄度 | 澄んだ |
輝き | 輝きのある |
色調 | グリーンがかった、レモンイエロー |
濃淡 | 薄い |
粘性 | さらっとした |
外観の印象 | 若々しい、軽快な |
甲州の色調は淡く、グリーンというよりもグレーがかったような、薄い色をしています。
完熟まで待たずに収穫されるため、色調が薄い傾向があります。
また、粘性も低いため、サラッとした印象があります。全体的にフランスのミュスカデと間違えやすいですが、ミュスカデの色調はもう少しイエローに近いです。
香り
第一印象 | 控えめな |
果実・花・植物 | 柑橘類、青りんご、リンゴ、スイカズラ、ミント、ヴェルヴェーヌ |
香辛・芳香・化学物質 | パン・ドゥ・ミ、石灰、火打石、コリアンダー、ヨード |
香りの印象 | 若々しい、第1アロマが強い |
甲州はミネラル香が特徴でもあり、このワインでもしっかり拾えることができます。
また味がない品種でもあるため、シュル・リーを行うことが多く、「パン・ドゥ・ミ」の香りも拾うことができます。
フランスのミュスカデもシュル・リーを行うことの多い品種であるため、このあたりもミュスカデと間違えやすい点です。
味わい
アタック | 軽い |
甘味(アルコール) | ドライ |
酸味 | しっかりとした |
苦み | 旨味をともなった |
バランス | 溌剌とした、ドライな |
アルコール | 軽い |
余韻 | 短い |
アタックも、アルコールも軽くて、余韻も短い、サラッとした印象が甲州の特徴です。
甘みは少なく、酸がはっきりと感じられます。シュル・リーによる旨味を感じることができます。
日本酒的な酒粕のような風味を持っている甲州もあります。
このワインの総合評価としては、「シンプルでフレッシュ感を楽しむ」で、供出温度は8~10度、グラスは小ぶりです。
このワインは、楽天市場、Yahooショッピングで購入可能です。
フランス産シュナン・ブラン
シュナン・ブランは、フランスのロワール地方で多く栽培されている品種ですが、南アフリカでも「スティーン」という名前で栽培されています。
今回飲み比べた銘柄は、ロワールのトゥーレーヌで生産される「レ ピエ ロティ シャトー ド クーレーヌ」ヴィンテージ2015年です。(写真左)
ワインエキスパート2次試験のマークシート形式に合わせたコメントを掲載します。
外観
清澄度 | 澄んだ |
輝き | 輝きのある |
色調 | レモンイエロー、イエロー |
濃淡 | やや濃い |
粘性 | やや強い |
外観の印象 | 成熟度が高い、濃縮感が強い |
シュナン・ブランの色調は薄い麦わら色から、濃い黄金色まで幅広いですが、基本的にはイエローの色調が強いです。
香り
第一印象 | 開いている |
果実・花・植物 | 洋ナシ、花梨、白桃、アプリコット、マンゴー、アカシア、白バラ |
香辛・芳香・化学物質 | 石灰、火打石、ハチミツ、香木、花の蜜 |
香りの印象 | 第1アロマが強い、複雑性のある |
シュナン・ブランの香りは、蜜のような甘やかな香りと、花梨や白桃のような濃縮感のある果実の香りです。華やかでアロマティックな印象を受けます。
同じように香りの華やかな「ヴィオニエ」と間違えやすいので注意が必要です。
味わい
アタック | やや強い |
甘味(アルコール) | まろやかな |
酸味 | しっかりとした |
苦み | 旨味をともなった |
バランス | ふくよかな |
アルコール | やや強め |
余韻 | やや長い |
シュナン・ブランの味わいの特徴は、しっかりとした酸味です。ただ、甘味も豊かであることが多く、果実感を感じられるふくよかな味わいに仕上がります。
このワインの総合評価としては、「成熟度が高く、豊か」なワインで、供出温度は11~14度、グラスは中庸です。
このワインは、楽天市場、Yahooショッピングで購入可能です。
まとめ
甲州もシュナン・ブランも2次試験での出題数は、多くありません。2004年以降で見てみると、甲州は2013年に1度出題されていおり、シュナン・ブランにおいては1度も出題されていません。
もしかすると、今年あたり出題されるかも…という個人的な予想です。
どちらのワインも、価格は2,000円台で購入可能な銘柄です。
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この記事は、「ソムリエ協会 2019年度版教本」と「ワインテイスティングの基礎知識 著:久保 將」を参考にしています。
「ワインテイスティングの基礎知識」に関しては、テイスティングについて細分化して説明してあったり、香りの捉え方と、たくさんあるワインの香りの特徴など詳しく説明されているため、とても参考になります。
ワインエキスパートを受験される方の役に立つ参考書です。