
ワインエキスパートの2次試験対策って何をすればよいの?ワイン別のマークシートの回答の参考例が知りたいよー。
という悩みを持っている方は多いのではないでしょうか?私は2019年のワインエキスパート試験にストレートで合格しました。
ワインエキスパートの2次試験は、ブラインドテイストです。
出題されるのは、赤ワイン2種・白ワイン2種・その他の酒類1種ですが、ワインについては「外観」や「香り」や「味わい」のコメントをマークシートで回答します。
正解が明確ではないため、どのように回答すると良いかわからないですよね。
そんな方のために、私が飲み比べをしたワインをワインエキスパート2次試験のマークシート形式に沿ってコメントを記載していきます。
ワインエキスパート2次試験を受験される方の参考になれば幸いです。
★2次試験対策のまとめ記事はこちらです
本日の飲み比べ
本日の飲み比べは下記の赤ワイン2種類です。
- フランス産メルロ
- オーストラリア産シラーズ
フランス産メルロ
「メルロ」は、フランスのボルドー地方を発祥とするブドウ品種です。
特にサンテミリオンでは、高品質なメルロが生産されています。
メルロは、産地や醸造方法によって香りや味わいに違いが大きく出るため、ブラインドで品種をあてることが難しいと言われています。
今回飲み比べをしたのは、フランス産ボルドーの「シャトー・ル・コンセイエ (2015)」です。(写真右)
ワインエキスパート2次試験のマークシート形式に合わせたコメントを掲載します。※あくまで参考なので、これが必ずしも正しい回答ではありません
外観
清澄度 | 澄んだ、深みのある |
輝き | 輝きのある、落ち着いた |
色調 | ガーネット、ダークチェリーレッド、縁が明るい |
濃淡 | やや濃い |
粘性 | 強い |
外観の印象 | 成熟度が高い、濃縮感が強い |
ワインエキスパート2次試験の「清澄度」における回答欄には、「やや濁った」や「濁った」という選択肢が存在する場合があります。
しかし、赤ワインにおいて「濁っている」はネガティブなイメージになるため、ほぼ「濁っている」が回答になることはありません。
そのため、「澄んだ・深みのある」を選択するのが〇です。
香り
第一印象 | 開いている |
果実・花・植物 | ブルーベリー、カシス、ブラックベリー、干しプラム、ゼラニウム、ローリエ、腐葉土 |
香辛・芳香・化学物質 | 乾いた肉、ロースト、コーヒー、カカオ、ナツメグ、シナモン |
香りの印象 | 熟成感が現れている、木樽からのニュアンス |
メルロの香りは、色素の濃い果実であるブルーベリーやカシスブラックベリーをまず拾うことができるはずです。
その上で、「乾いた肉」のような「獣」のニュアンスと、コーヒーやカカオのような香りも拾うことができます。
味わい
アタック | やや強い |
甘味(アルコール) | ドライ |
酸味 | 円(まる)みのある |
タンニン分 | ヴィロードのような |
バランス | 豊満な、肉厚な |
アルコール | やや強め |
余韻 | 長い |
味わいの表現は「?」なものも多いですね。酸味における「円みがある」という表現は、酸味が少ないことを意味します。
また、タンニン分における「ヴィロードのような」という表現は、タンニンをやや感じられる際に使われる表現です。
このワインの総合評価としては、「熟成度が高く、豊か」であり、デカンタージュは事前30分前、供出温度は17-20度、グラスは大ぶりのものを選択するのが〇です。
このワインは、Amazonや楽天市場、Yahooショッピングでも購入可能です。
オーストラリア産シラーズ
「シラー」はブドウが熟すために、高い気温を必要とするので、温暖な地域で栽培されることが条件となります。
フランスのローヌ地方で伝統的に栽培されていますが、近年ではオーストラリアのシラーズの方が生産量も多く流通されています。
今回飲み比べをしたのは、「ハート アンド ソイル(2015)」です。(写真左)
外観
清澄度 | 澄んだ、深みのある |
輝き | 輝きのある、落ち着いた |
色調 | ガーネット、ダークチェリーレッド |
濃淡 | 濃い |
粘性 | やや強い |
外観の印象 | 濃縮感が強い、成熟度が高い |
シラーズも非常に濃い色調で、グラスを傾けても向こう側が見えないくらいの濃さがあります。
外観の回答例としては、上記のようになり「メルロ」とほぼ一緒です。
赤ワインは色調の薄い「ピノノワール」以外は、外観で判別するのが難しいです。
香り
第一印象 | 濃縮感のある、深みのある |
果実・花・植物 | ブルーベリー、カシス、ブラックベリー、ブラックチェリー、牡丹、スーボア |
香辛・芳香・化学物質 | 黒こしょう、ロースト、カカオ、コーヒー、ヴァニラ |
香りの印象 | 熟成感が現れている、木樽からのニュアンス |
シラーズで、最初に拾いたい香りは「黒こしょう」です。
ここで気になるのが、「フランスのシラー」と「オーストラリアのシラーズ」の違いですが、一般的に言われているのは下記の3点です。
- シラーズの香りは黒こしょう+果実の香りが強い
- シラーズの方がタンニンが多め
- シラーズの方がタンニンが多いので酸味を感じにくい
味わい
アタック | 強い |
甘味(アルコール) | まろやかな |
酸味 | 円みのある |
タンニン分 | 緻密 |
バランス | 豊満な |
アルコール | やや強め |
余韻 | 長い |
タンニン分における「緻密な」という表現は、「ヴィロードのような」という表現とほぼ一緒です。
タンニンがこなれた触感になってきているときに表現します。うーん…。難しいですね。
このワインの総合評価としては、「熟成度が高く、豊か」であり、デカンタージュは事前30分前、供出温度は17-20度、グラスは大ぶりのものを選択するのが〇です。
「メルロ」と一緒の総合評価となりました。
このワインは、楽天市場、Yahooショッピングで購入可能です。
まとめ
今回飲み比べをしたメルロは、2,000円台で購入できる銘柄でしたが、もう少し高い、良いメルロだと「トリュフ」の香りを拾うこともできます。
そうはいっても、ワインエキスパートの2次試験では価格の高いワインが出る可能性は低いので、2,000円~3,000円の価格帯のワインで飲み比べするのが〇です。
*************************************************
この記事は、「ソムリエ協会 2019年度版教本」と「ワインテイスティングの基礎知識 著:久保 將」を参考にしています。
「ワインテイスティングの基礎知識」に関しては、テイスティングについて細分化して説明してあったり、香りの捉え方と、たくさんあるワインの香りの特徴など詳しく説明されているため、とても参考になります。
ワインエキスパートを受験される方の役に立つ参考書です。