
ワインエキスパートの2次試験対策って何をすればよいの?ワイン別のマークシートの回答の参考例が知りたいよー。
という悩みを持っている方は多いのではないでしょうか?私は2019年のワインエキスパート試験にストレートで合格しました。
ワインエキスパートの2次試験は、ブラインドテイストです。出題されるのは、赤ワイン2種・白ワイン2種・その他の酒類1種ですが、ワインについては「外観」や「香り」や「味わい」のコメントをマークシートで回答します。正解が明確ではないため、どのように回答すると良いかわからないですよね。
そんな方のために、私が飲み比べをしたワインをワインエキスパート2次試験のマークシート形式に沿ってコメントを記載していきます。
ワインエキスパート2次試験を受験される方の参考になれば幸いです。
★2次試験対策のまとめ記事はこちらです
本日の飲み比べ
本日の飲み比べは下記の赤ワイン2種類です。
- アメリカ産ピノ・ノワール
- 日本産マスカット・ベーリーA
アメリカ産ピノ・ノワール
ピノ・ノワールは栽培の難易度の高い品種ですが、最適な土壌で育てられると最上のワインになりうる品種でもあります。
冷涼な気候と、水はけの良い石灰質土壌を好むため、フランスのブルゴーニュやシャンパーニュで高品質なワインがつくられています。
今回飲み比べをしたのは、アメリカ オレゴン州産の「フォリス ピノ・ノワール(2017)」です。(写真右)
ワインエキスパート2次試験のマークシート形式に合わせたコメントを掲載します。※あくまで参考なので、これが必ずしも正しい回答ではありません
外観
清澄度 | 澄んだ |
輝き | 輝きのある |
色調 | 紫がかった、ルビー、縁が明るい |
濃淡 | 明るい |
粘性 | やや強い |
外観の印象 | 成熟度が高い |
ピノ・ノワールは他の赤ワインに比べて、色調が明るく、色も濃くないのが特徴です。そのため、「輝きがある」「明るい」「ルビー色」で表現されることが多いです。
このワインは粘性が高いため、ニューワールドのワインではないかと想像ができます。
香り
第一印象 | 開いている |
果実・花・植物 | イチゴ、ラズベリー、バラ、ゼラニウム、ドライハーブ、紅茶 |
香辛・芳香・化学物質 | 血液、肉、ナツメグ、シナモン、ヨード |
香りの印象 | 若々しい、第一アロマが強い |
ピノ・ノワールは、色素の濃くない果実である「イチゴ」や「ラズベリー」の香りが特徴です。また、「血液」と「肉」などの獣のようなニュアンスも大きな特徴になってきます。特に「肉」のニュアンスは若いピノ・ノワールによくあらわれます。
ヨードは「海藻」や「磯の香り」と言い換えることができます。海に近い畑のブドウから感じることもある香りで、海苔のような香りに感じることもあります。
味わい
アタック | やや軽い |
甘味(アルコール) | ドライ |
酸味 | なめらかな、円みのある |
タンニン分 | 溶け込んだ、緻密 |
バランス | ふくよかな |
アルコール | やや強め |
余韻 | やや短い |
ピノ・ノワールの味わいは、「タンニン分」がそれほど多くないことが特徴になります。「タンニン分」が少ないことを表現するために、「溶け込んだ」や「緻密な」という言葉を使います。
このワインの総合評価としては、「熟成度が高く、豊か」であり、デカンタージュは必要なし、供出温度は17-20度、グラスは中庸のものを選択するのが〇です。
デカンタージュが必要になる場合はいくつかありますが、その中の一つに「空気に触れさせてタンニンをまろやかにする」という理由があります。ピノ・ノワールはタンニン分が少ないため、デカンタージュは「必要なし」とすることが多いです。
このワインはAmazon、楽天市場、Yahooショッピングで購入可能です。
日本産マスカット・ベーリーA
「マスカット・ベーリーA」は日本ワインブドウの父である川上善兵衛が開発した、日本独自の品種です。多雨多湿の日本に適した品種でもあります。
今回飲み比べをしたのは、シャトーメルシャンの「穂坂マスカット・ベーリーA(2015)」です。(写真左)
外観
清澄度 | 澄んだ |
輝き | 輝きのある |
色調 | ルビー、ラズベリーレッド、縁が明るい |
濃淡 | やや明るい |
粘性 | やや軽い |
外観の印象 | 若い状態を抜けた、軽快な |
マスカット・ベーリーAの外観は、明るいルビー色をしているためピノ・ノワールによく似ています。
このワインは、ワインを傾けた時の縁が明るいことと、紫色が抜けてきているので、若い状態を抜けたことが判断できます。
香り
第一印象 | 開いている、チャーミングな、華やかな |
果実・花・植物 | イチゴ、ラズベリー、ブルーベリー、バラ、スミレ、紅茶 |
香辛・芳香・化学物質 | 肉、ヴァニラ、シナモン、ナツメグ |
香りの印象 | 熟成感が現れている、木樽からのニュアンス |
マスカット・ベーリーAで、まず最初に拾いたい香りは「キャンディ香」です。イチゴキャンディのような甘い香りが大きな特徴となります。このワインは、オーク樽で24ヶ月熟成されているため、「ヴァニラ」や「ナツメグ」などの樽香も拾うことができます。
味わい
アタック | やや軽い |
甘味(アルコール) | ドライな |
酸味 | 爽やかな |
タンニン分 | ヴィロードのような、シルキーな、溶け込んだ |
バランス | 流れるような |
アルコール | やや軽め |
余韻 | やや短い |
マスカット・ベーリーAは、「イチゴキャンディー」のような甘い華やかな香りとは違って、味わいは甘みが少なく、ドライで爽やかなのが特徴です。
このワインの総合評価としては、「シンプル、フレッシュ感を楽しむ」であり、デカンタージュは必要なし、供出温度は17-20度、グラスは中庸のものを選択するのが〇です。
このワインはAmazon、楽天市場、Yahooショッピングで購入可能です。
まとめ
「ピノ・ノワール」と「マスカット・ベーリーA」は外観(特に色調)は似ていますが、香りや味わいに大きな違いがあります。「マスカット・ベーリーA」は、ワインエキスパートの試験にも出題されたことがあるので、一度は飲んでおいた方が良い品種です。
価格としては、アメリカ オレゴン州産の「フォリス ピノ・ノワール(2017)」は2,000円くらい、シャトーメルシャンの「穂坂マスカット・ベーリーA(2015)」は3,000円くらいのワインです。
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この記事は、「ソムリエ協会 2019年度版教本」と「ワインテイスティングの基礎知識 著:久保 將」を参考にしています。
「ワインテイスティングの基礎知識」に関しては、テイスティングについて細分化して説明してあったり、香りの捉え方と、たくさんあるワインの香りの特徴など詳しく説明されているため、とても参考になります。
ワインエキスパートを受験される方の役に立つ参考書です。