こんにちは。
閲覧いただきありがとうございます。
私は食品添加物を摂取しないことにより、全身に広がるじんましんを克服して以来、美容と健康のためにも「無添加」生活を送っています。
「無添加」の食品を見つけるのは意外に難しいので、「無添加食品」を日々探し求め、見つけては記事にしています。
この記事はこんな方向け
- お肉のパッケージに表示される「抗生剤・成長ホルモン不使用」の意味を知りたい方
- 安全なお肉を食べたいと思っている方
- 食の安全を大切にしている方
★スーパーやコンビニで買える無添加の調味料や食品をこちらのページにまとめています。
スーパーでお肉を買うとき、
「国産」「外国産」
のどちらを買おうか迷いませんか?
なんとなく、国産のお肉がよさそうかな?と思うものの、価格の安さが魅力的で外国産のお肉を買うことも多いと思います。
私も食品添加物に興味を持ちはじめるまでは、お肉は安ければ良い、と思っている節がありました。
ですが、食品添加物について学びはじめると、現在の日本の食品には本当に安全で、安心して口にできる食品が少ないと気づきはじめ、お肉に関しても調べることにしました。
今回は、畜産業で使用される薬品について。
スーパーでたまに見かける、
「成長ホルモン剤・抗生物質不使用のお肉です」
という表示。
- 成長ホルモン剤や抗生物質不使用だとなぜ良いのか?
- 成長ホルモン剤や抗生剤物質が使用されたお肉が人間に与える影響
についてお話したいと思います。
畜産業で使用される薬剤
現代の畜産業では、その肥育過程で下記の薬剤が使用されることがあります。
- 成長ホルモン剤
- 抗生物質
それぞれについて説明します。
成長ホルモン剤とは
成長ホルモン剤とは、牛を育てる中で使用される薬剤です。
成長ホルモン剤を注射すると、牛の成長が早まることで肥育期間を短くすることができ、その結果として利益が10%アップするといわれています。
畜産物の輸出大国である、アメリカ・オーストラリア・カナダでは成長ホルモン剤の使用を認めていますが、日本のスーパーに並ぶ外国産の牛肉は、ほぼこの3カ国しか見かけないのですよね。
成長ホルモン剤が人間に与える影響
北海道対がん協会細胞診センターのおこなった調査で、
札幌市内のスーパーで販売していた米国産の牛肉から、国産牛肉と比べて脂身では140倍、赤身から600倍のエストロゲンが残留していたことを発表しました。
ホルモン依存性がん(乳がんや前立腺がん)の原因とされる物質で、エストロゲン高濃度の牛肉を食べることとホルモン依存性がんの発生増加の関連性についての論文が発表されています
アメリカの牛肉消費量は世界最多であり、アメリカの乳がん発症率は8人に1人という高発症率であることも考えると、アメリカ産のホルモン剤投与された牛肉の影響がまったくないとは言えないのではないかと思えてしまいます。
そんなアメリカ産の牛肉の輸入大国が日本なのです。
外食で安く提供される牛肉には、”国産”と明記がないかぎり、そのほとんどが成長ホルモン剤の使用が認められているアメリカやカナダ、オーストラリア産の牛肉です。
メニューに明確に”国産”と記載されていれば別ですが、私は外食先ではお肉はできるだけ食べないようにしています。
成長ホルモン剤に対する各国の規制
多くの国で牛に対して成長ホルモン剤を使用することを禁止しています。
EUでは1988年に家畜に成長ホルモン剤を使用することを禁止、翌年にはアメリカ産の牛肉の輸入を禁止しています。
ロシアではホルモン剤の残留するオーストラリア産の牛肉を禁止しています。
食の安全に規制の厳しくなさそうな中国でさえ、香港経由でのホルモン剤が残留したアメリカ産牛肉の輸入を禁止しています。
ちなみに日本でも肥育用に成長ホルモン剤を使用することは禁止しています。
ですが、輸入牛肉の検疫検査は、サンプルとして抜き取り検査をするだけで、検査の結果を待たずに通関・輸入されてしまうため、成長ホルモンが残留した輸入牛肉が日本に出回っている可能性は大いにあるそうです。
抗生物質とは
大規模畜産では、動物が狭くて密な環境で育てられるため、家畜のストレスが高まることにより、感染症にかかりやすくなります。
そこで使用されるのが、”抗生物質”です。
抗生物質の混ざった飼料を与えることによって、家畜が感染症にかかるのを防ぐことができます。
健康な動物に抗生物質を与えることは、病気の予防になるだけではなく、家畜の成長促進にもつながるため多用されています。
抗生物質が人間に与える影響
ここで問題になるのが、家畜に抗生物質の耐性菌ができてしまうということ。
抗生物質の耐性菌を持っている家畜の肉を食べることによって、人間も抗生物質の耐性菌を持ってしまうのです。
肺炎などの細菌感染症に対しては、抗生物質を使用して治療しますが、抗生物質の耐性菌を持っていることにより、抗生物質の効果が得られないことがあります。
すべての抗生物質が効かない場合は治療方法がなくなってしまうのです。
抗生物質耐性菌に関しては世界的な問題であり、2016年には伊勢志摩サミットでも議題として取り上げられたほどです。
抗生物質に対する各国の規制
EUでは2006年に、成長促進目的での抗生物質の使用を禁止しており、世界保健機関(WHO)も2017年には、抗生物質を家畜の成長促進目的に使わないよう求める指針を発表しています。
日本でも、2015年〜2017年にかけておこなわれた厚生労働省の調査では、国産鶏肉から3年間で平均平均69%もの抗生物質耐性菌が検出されていました。
そして、2018年に家畜の飼料に混ぜて使う2種類の抗生物質の成長目的での使用を禁止しました。
一方アメリカでは、
アメリカの疾病管理予防センターが、抗生物質耐性菌に毎年200万人が感染し、この菌が原因で、毎年2万3000人が亡くなっていると報告しています。
動物用の抗生物質の規制の動きがあったものの、現状では農業団体の反対で規制法案は成立していません。
まとめ
コンビニやスーパーで販売されている加工食品には、食品添加物という薬品が大量に使用されていることは知っていましたが、加工される前の段階の家畜にも薬剤が投与されていることに驚きを隠せません。
効率や利益を求めた結果が、結局は人間の健康に害をなしてしまうのはなんとも悲しい結果でもあります。
「抗生物質・成長ホルモン剤不使用」と記載されているお肉は、こういった健康を損なうリスクが少ないお肉、ということなのです。
畜産業を効率化する薬剤が使用されていない分、生産にコストがかかるため私たちが購入する価格は決して安くはありませんが、それは仕方ないことだと思います。
外食のお肉には注意したり、できるだけ国産、なおかつ薬剤投与されていないお肉を選ぶようにしたいものです。
食品添加物や家畜への薬剤を避けて食品づくりをしている信頼できるメーカーもあります。
私は秋川牧園さんの食品をよく購入しています。秋川牧園さんには食品のお試しセットがあり、その商品レビューを下記の記事にまとめています。
このブログを読んでくださる方々の、安心安全な食生活の参考に少しでもなるのなら幸いです。
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参考:
安田節子著 「食べ物が劣化する日本」
朝日新聞デジタル 畜産用の抗菌薬2種類、国が使用禁止 耐性菌拡大を懸念