こんにちは。
閲覧いただきありがとうございます。
私は食品添加物を摂取しないことにより、全身に広がるじんましんを克服して以来、美容と健康のためにも「無添加」生活を送っています。
「無添加」の食品や商品を見つけるのは意外に難しいので、「無添加商品」を日々探し求め、見つけては記事にしています。
・オーガニックに興味がある方
・オーガニック認証機関について知りたい方
・無添加主義、オーガニック主義の方
様々な「無添加食品や商品」をまとめた記事です。添加物や化学合成物質が気になる方は、是非ご覧ください↓
私はかなりの無添加主義です。食事はもちろん、化粧品類も無添加やオーガニックの商品を選んでいます。(スキンケアにおけるオーガニック・無添加についての説明記事はこちらです)
最近ふと気になったことが、オーガニックのスキンケアを購入する際に、見かける「オーガニック認証」という文言。
オーガニックのスキンケアの成分を確認すると、
「○○エキスはオーガニック認証された成分です」
というような文言が記載されていたりします。
なんとなく「オーガニック(有機栽培・無農薬で育った)植物」を使用していることは理解できますが、
「認証をしている機関はどこで、どんな基準で認証しているのだろうか?」
ということが気になり出してしまったので、調べてみることにしました。
同じような疑問を持っている方も多いのではないかと思い、記事としてまとめたいと思います。
日本のオーガニック認証機関
まず最初に日本のオーガニックの認証機関について触れておきます。
日本のオーガニック認証については、
- 農産物
- 化粧品(スキンケア)や洗剤などの日用品
によって認証方法が違います。
農産物のオーガニック認証機関
農産物(穀物・野菜・植物)のオーガニック認定については、日本では「農林水産省」が管轄しています。
農薬や化学肥料などの化学物質に頼らず、自然の力で生産された食品に対して、国が指定した機関から認証されると、その農産物に「有機JASマーク」が付与されるのです。
有機JASマークが付与された農作物は、有機JASマークとともに「有機」や「オーガニック」とパッケージに表記して販売することが可能となります。
農産物に関しては、国によってきちんと「有機(オーガニック)」の定義がされているのです。
ちなみに、これまで有機JASマークの付与は「農産物」にのみ付与されていましたが、2020年7月からは「畜産食品」も対象となります。
畜産食品も「有機JASマーク」がない場合に「有機」や「オーガニック」の表示が禁止となります。
畜産食品の対象食品は、
牛肉・卵・牛乳・ハム・チーズ・バター・チョコレート
などが含まれます。
オーガニックや有機の表記が厳密になっていくのは、消費者にとってありがたいことですね。
食品以外の化粧品など
食品以外にも「オーガニック」と表記されている化粧水や美容液などが販売されていますが、これらはどうなのでしょうか?
実は食品以外のオーガニック製品に関しては、
- オーガニック成分がどのくらい使用されているか?
- 化学物質が使用されていないか?
などの定義はありません。また、国を代表する認証機関もありません。
日本で「オーガニックコスメ」を販売するにあたっては、有機栽培された植物のエキスを少しだけ使っているだけで
「オーガニック」
と表記して販売が可能なのです。
また、化学合成された成分が使用されていても、オーガニック成分を使用さえしていれば、「オーガニック」と名乗って販売できしまうのです。
そう思うと、「オーガニックだから安心」というわけではないことがよくわかりますね。
日本にも民間のオーガニック認証団体はいくつかあります。
ですが、団体により基準もバラバラで認知も低く、普及もしていないため信頼性が低いのが現状です。
代表的な海外のオーガニック認証機関
実は、日本よりも海外の方がオーガニックの認証制度に関して進んでいることをご存知でしょうか。
特にヨーロッパはオーガニック先進国で、オーガニック商品を販売するためには厳しい検査を受けて、オーガニックの認証を得ています。
ここで海外のオーガニック認証機関をいくつかご紹介したいと思います。
ECOCERT(エコサート)
世界基準のオーガニック認証機関ともいわれているエコサート。
1991年に農学者たちによって設立された、世界最大規模のオーガニック認証機関です。ヨーロッパを中心に80カ国以上の認証を行っています。
米や野菜の農産物をはじめ、化粧品、コットンなど、幅広い有機認証を取り扱っていて、日本のオーガニックコスメもエコサートの認証を得ているメーカーもあります。
エコサート認証には、
- COSMEECO(コスメエコ)
- COSMEBIO(コスメビオ)
の2つがあり、特に厳しいとされるコスメビオの認定基準は次のとおりです。
認定基準
- 完成品の95%が自然原料であること
- 完成品の5%は化学原料で良い
- 完成品の10%はオーガニックでなければならない
- 植物原料の95%はオーガニックでなければならない
- 化学香料、合成着色料、合成香料、合成油脂、油、シリコンおよび石油製品は使用してはいけない
「完成品に対して5%は化学原料を使用しても良い」という基準になっているのは意外ですね。
NaTrue(ネイトゥルー)
EUには様々なオーガニック認証団体がありますが、それらを統一しようとしたヨーロッパのコスメブランドによって立ち上げられたEUのオーガニック認証機関です。
2007年の設立以来、ヨーロッパのオーガニック市場において大きな役割を果たし、約130ブランド、3000の製品が認証を取得しています。
認証基準や特徴
- 配合されている自然原料のうち95%以上がオーガニック
- 配合が認められている原料は3つ
⇨①自然から直接得られる原料
②化学処理が施された自然原料
③自然に存在するが化学的に製造された原料
(防腐剤とミネラル物質のみに使用可) - 遺伝子組み換え植物あるいは有機体からの原料は使用してはいけない
- 合成香料および合成色素、石油系原料は使用してはいけない
- 動物実験は行わない
配合する成分は全て自然由来の成分で、自然原料を化学的な処理を行う際にも、その処理方法や加工回数の制限も設けられている、基準の厳しい認証です。
Dr.Hauschkaや、ヴェレダ、プリマヴェーラ、ロゴナやトリロジーなど、有名なオーガニックコスメが認証を得ています。
USDA Organic
アメリカにおけるオーガニック認証機関です。USDAは米国農務省のことで、日本でいうと農林水産省が認定する有機JASに該当します。
USDAは農産物に対する認証ですが、オーガニックコスメに関してもUSDAが採用されています。
基準には下記の3つがあります。
- 100%Organic
100%オーガニック原料の製品 - Organic
95%以上オーガニック原料の製品 - Made with Organic ingredients
70%以上オーガニック原料の製品
農産物の認定基準
- オーガニック作物を栽培する土地では、収穫前3年以上禁止物質を使用しない
- 害虫、雑草、疫病管理には、主に物理的、機械的、生物学的な防除方法を用いる
- 入手可能な場合は、オーガニックの種子や種植物を使用しなければならない
- 遺伝子操作や電離放射、下水汚泥は禁止する
害虫や雑草の駆除には、基本的には農薬等の使用は認められていませんが、どうしても難しい場合は国が認めた合成物質は使用可能だったりもしますが、厳し目の基準が設けられています。
ACO(Australia Certified Organic)
オーストラリアのオーガニック認証機関です。日本の有機JASとも提携しています。
認証にあたり厳しい基準のがあるため、世界トップレベルのオーガニック認証機関でもあります。
認証基準
- 95%以上が認定されたオーガニック原料であること
- 残り5%についても基準に準拠した天然由来成分であること
- 100%自然由来成分であること
- 一切の合成化学物質(合成着色料、合成香料、化学品由来防腐剤)、合成肥料、遺伝子組み換え作物を使用していないこと
- オーストラリア産
- 動物実験を行わない
- ヴィーガン(完全菜食主義者)へのケア
- 3R(リデュース、リユース、リサイクル)の配慮
動物実験を行わなかったり、ヴィーガンへの配慮もされている生き物に優しい認証でもあります。
SoilAssociation(ソイル・アソシエーション)
イギリスのオーガニック認証機関です。
イギリスのオーガニック製品の約80%がソイル・アソシエーションの認定を受けています。
ヨーロッパの一般的なオーガニック基準よりも項目が細かく、多岐にわたっていて、1つ1つの項目も厳しく、審査が厳しい事で有名な団体です。
認証基準
- 人工ナノ物質の使用を禁止する
- 土壌を用いない栽培方法(水栽培、鉢植え等)の禁止
- オーガニック作物の生産耕地では、過去5年以内に遺伝子組み換え作物が生産されてはならない
- 農薬や化学肥料はもちろん、遺伝子組み換え作物の栽培も一切禁止。
- 肥料には有機物による堆肥、植物の抽出物、ミネラルが用いられていること
- 工業地帯から離れた場所で栽培されていること
SoCert(ソサート)
イタリアのオーガニック認証機関です。
化粧品の他にも、食品や洗剤なども対象としています。
フランスのエコサートをモデルとして作られたそうですが、その基準はエコサートよりも厳しく多岐にわたる事で知られています。
現在では、イタリアのスタンダードになりつつあります。
認証基準
- 原料は100%植物性原料であること
- 製品の製造プロセスが人体や環境に影響を与えないこと
- 動物を保護、尊重するために動物実験は行わないこと
- 製造プロセスについて明記すること
- 遺伝子組み換え原料は使用しないこと
- 認証時に検査や実験の方法について明確な資料を提出していること
- 認証時に証明資料を提出していること
- 環境に配慮した包装であること
ダマスクローズを使用したオーガニックコスメ「テラクオーレ」は、ソサートの認証を得ています。
BDIH(ドイツ化粧品医薬品商工連盟)
2000年に作られたドイツのオーガニック認証機関です。
もともとナチュラル志向の強かったドイツでは、ヨーロッパの中でも早い段階からナチュラルコスメを取り扱っていました。
オーガニックに自信を持つメーカーやブランドが集まって作り出されたオーガニックコスメのガイドラインがBDIHです。
認証基準
- 入手が可能な限り有機栽培または野生群生の植物から抽出した原料を使用
- 動物由来の原料は、生きた動物からのみ可
(はちみつやミルクなど) - 動物実験は一切行わない
- 合成着色料、合成香料、合成油脂、シリコンパラフィンそのほか石油製品は使用しない
- 保存料としては自然の、またはいくつかの天然由来と同等の自然成分を模して合成された成分は許される
- 原料や製品のために放射線照射は行わない
- リサイクル可能で環境にやさしい容器を使用すること
- 放射線などによる防腐加工はおこなわないこと
オーガニック成分は「入手が可能な限り」とされているため、他の認証のように割合が決められていないところや、自然由来であれば合成成分が許されるところなどは、他の認証に比べて厳しくはないようです。
ドイツのオーガニックコスメ「ロゴナ」も、この認証を得ています。
まとめ
エコサート認証された製品を見かけることも多いと思いますが、化学原料の使用が5%は認められていることに少し驚きました。
世界には審査の厳しいオーガニックの認証機関がこれだけあるのに、日本には食品以外においてはオーガニック認証機関がないということにも改めて驚かされました。
海外に旅行のお土産を選ぶ際に、これらの認証マークの付与されているコスメを選ぶと良さそうですね。
オーガニックや無添加のスキンケアを探している方の参考にしていただけたら幸いです。
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参考:
農林水産省 有機食品の検査認証制
エコサート・ジャパン
NATURE認証
NY Green Fashion
SOIL ASSOSIATION
ロゴナ