こんにちは。
閲覧いただきありがとうございます。
私は食品添加物を摂取しないことにより、全身に広がるじんましんを克服して以来、美容と健康のためにも「無添加」生活を送っています。
「無添加」の食品を見つけるのは意外に難しいので、「無添加食品」を日々探し求め、見つけては記事にしています。
無添加を意識し始めると「食」に関する様々な「見えない部分」や「見てこなかった部分」があることにハッとさせられることも多いです。
そんな中で私が最近気になっているのが「アニマルウェルフェア」、動物福祉の問題です。
この記事はこんな方向け
- アニマルウェルフェアについて知りたい方
- 人間だけでなく動物の尊厳も守りたい方
- アニマルウェルフェア対応の食品を探している方
アニマルウェルフェアとは
「アニマルウェルフェア」という言葉をご存知でしょうか?
これは「家畜福祉」のことを意味します。
家畜とは、人間が食したり、その皮膚を革を製品として利用するために、飼育されている動物たちのことです。
そんな家畜である動物たちが、
- 死を迎えるまでの飼育過程において、ストレスを感じず、自由に行動できて健康的な生活ができる状態にあること
- 家畜と人が相互に満ち足りた生活を与え合っている状態
であるようにアニマルウェルフェアで定義されています。
畜産先進国であるEUでは、生産性と効率性の向上を目的としてきた工場的畜産から、アニマルウェルフェアに対応した畜産への転換がすすめられていて既に
- 妊娠豚の拘束飼育
- 採卵鶏のバタリケージ飼育
- 牛の繋留飼育
が法的に禁止されています。
しかし、日本ではアニマルウェルフェアの対応が海外よりも遅れており、EUで禁止されている上記の事項も日本では、一般的に行われている飼育方法なのです。
2022年には東京オリンピックが開催されましたが、東京での開催が決定した際、オリンピックメダリスト計9名が、日本の畜産物のアニマルウェルフェア基準が低すぎると抗議し、声明を発表しました。
日本では農林水産省が平成21年から畜種ごとに「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」はあるものの、EUのように法律化されていないため、
「動物福祉後進国」
であると見なされているのですね。
肉は食べないほうが良いのか?
家畜福祉の話をすると、
「肉を食べてはいけないのか?それは無理…」
と思う方も多いと思います。
私も子供のころから、お肉を食べて育ちました。
ただ、日本の家畜動物の飼育や家畜が食すえさの悲しい現状を考えると、ベジタリアンやヴィーガンのような食生活を送りたいのが本音です。
しかし、一緒に暮らす夫がお肉が大好きなため、簡単には食生活を変えることはできません。※ベジタリアンやヴィーガンの違いについての説明記事はこちら
ですが、家畜福祉に配慮して、アニマルウェルフェアにのっとった生産を行っている企業から、食品を買うことはできます。
家畜福祉に配慮して生産された食品は、そうでない食品に比べて価格が高くなりがちです。
ですが、
「命あるものを、ありがたくいただく」
という考えをもち、高くてもそういった食品を選ぶことが、個人にできるアニマルウェルフェア(家畜福祉)なのではないかと思っています。
アニマルフェア対応の食品
アニマルウェルフェアにのっとった生産を行っている企業から食品を買う、と言っても、
アニマルウェルフェアにのっとった生産をしている食品メーカーを見つけるのは難しいですよね。
普通のスーパーで販売している食品は価格を抑えることが優先されるので、
生産過程にコストのかかる最終商品価格が高くなってしまうアニマルウェルフェアを重視しているメーカーの食品を見つけることはできません。
こういった場面で日本のアニマルウェルフェアの意識の低さを感じますね。
そこでここからは私が見つけた、アニマルウェルフェアを重視した食品を生産しているメーカーをご紹介したいと思います。
肉牛
北十勝ファーム
出典:北十勝ファーム
北海道足寄郡にある「北十勝ファーム」さん。250haに及ぶ広大な牧場に牛を放牧し、牧草も自給しています。
このほかにも、牛を育てる環境に配慮し、
- 99%以上国産原料で作られた飼料
- 牛たちの糞を利用した地域循環農業への取り組み
- 生育状況に合わせた独自の飼料配合率の研究
- 天然のナチュラルウォーターの使用
上記のようなこだわりを持っています。
公式サイトでのオンライン販売はしていませんが、北十勝ファームさんのお肉が食べられる飲食店情報が公式サイトに記載されています。
北十勝ファームの公式ホームページはこちら。
HORIZON FARMS
出典:ホライズンファーム
日本の牧場で育てられた家畜ではありませんが、世界の厳選されたプレミアムお肉を直接輸入し、販売している企業「HORIZON FARMS(ホライズンファーム)」さん。
添加物などの不自然なものは一切使用せず、自然のまま健康的に育てられた家畜のお肉を取り扱っています。
アメリカの牧場で育てられた牛肉を販売していますが、成長促進ホルモン剤、抗生物質、ステロイド一切不使用です。もちろん、放し飼いで、生まれてからずっと牧草を食べて育った牛です。
また、畜前210日間は、動物性原料を一切含まない、100%ベジタリアンで自然な飼料で育てられています。
牛肉や鶏肉・ラム肉、ソーセージなどを販売しています。お肉は部位別にも販売されているので、用途に合わせて購入しやすいのも特徴です。
ホライズンファームの公式サイトはこちら。
名古屋にある2018年に設立したばかりの企業ですが、食卓に届くまでの個々の牛の、トレーサビリティが明確で安心できる企業です。
公式サイトでのオンライン販売も対応していますが、Amazonや楽天市場、Yahooショッピングでも購入可能です。ソーセージやベーコンも無添加で販売されています。
養豚
ぶぅふぅうぅ農園
出典:ぶぅふぅうぅ農園
山梨県韮崎市にある「ぶぅふぅうぅ農園」さん。アニマルウェアに配慮し、出産10日目から出荷まで放牧してし育てられた豚さんです。
ワクチンは親豚のみ使用し、出産から出荷まで抗生物質ゼロの無投薬でもあります。
えさに関しては80%が国産で、トウモロコシや大豆粕などは非遺伝子組み換え製品です。無添加のナチュラルチーズを配合していたりするほど、えさにもこだわりがあります。
公式サイトで豚肉が購入可能です。平飼いの卵も販売しています。Amazonや楽天市場などでの販売は対応していません。
ぶぅふぅうぅ農園の公式サイトはこちら。
エルパソ豚牧場
出典:エルパソ豚農場
北海道中川郡幕別町にある「エルパソ豚牧場」さん。
十勝の広大な大地で放牧し、のびのびと育てられたオリジナルの「どろぶた」を育てています。
「どろぶた」とは、どろんこ遊びが大好きで、ビタミンとミネラルを含んだ天然の土を食べる豚さんのことです。天然の土を食べることで、豚特有の臭みを大幅に抑えることができ、「肉質」も「味」も格段に良くなります。
公式オンラインショップで、豚肉や鶏肉、ソーセージやベーコンを販売しています。
エルパソ豚牧場の公式オンラインショッピングはこちら。
Amazonや楽天市場・Yahooショッピングでどろぶたのハンバーグが購入可能です。
中津ミート 丹沢ハム工房
出典:中津ミート
神奈川県愛甲郡にある「中津ミートの丹沢ハム工房」さん。
放牧豚ではありませんが、縦125m、横34.5mという広いスペースでの大群飼育をしています。
また、糞尿は足元のスノコより下に落ちる仕組みで、豚舎を清潔に保ち、空気も脱臭・洗浄して豚舎外へ排出しています。
えさにかんしては、サツマイモ・大麦なや、 非遺伝子組換え・PHF(収穫後に農薬を使用していない農作物)のトウモロコシ・大豆を使用しています。
肥育期の飼料には一切の薬剤を使用していません。投薬は使用していますが、産まれてから出荷までに使用したエサ、ワクチン、抗生物質は全て把握し明確なものになっています。
精肉やソーセージ・ハムなどを販売していますが、公式サイトでのオンライン販売は対応していません。
中津ミートさんの公式サイトはこちら。
ソーセージやハムは、Amazon・楽天市場・Yahooショッピングで購入可能です。もちろん無添加です。
肉鶏
秋川牧園
出典:秋川牧園
このブログでも何度もご紹介している、山口県山口市にある「秋川牧園」さん。
鶏を飼い、豚を飼い、牛を飼い、さらには有機野菜やチーズやワイン・ビールもつくっている総合農園です。
日光と自然の光の入る開放鶏舎を採用し、飼育密度を落とした薄飼いにより、動物自体の健康を基本としています。
そして、一般では不可能とされた、若鶏における全期間無投薬飼育を、世界の先駆的な開発者としていち早く実現しています。
えさに関しては、残留農薬安心の畜産物の確立、全植物性飼料の開発、ポストハーベスト無農薬・遺伝子組み換えをしていないnon-GMO飼料原料を採用。
また、昭和50年代から野菜を無農薬、無化学肥料で生産するチャレンジ始め、今では年間50品目以上の野菜を、無農薬・無化学肥料で栽培しています。
この他にも、農場の生産物や自社製品は、社内の品質管理室で毎日様々な検査を行い、安全と品質を確認している徹底ぶりです。
鶏肉や豚肉、牛乳、そして有機野菜を公式サイトで販売しています。また、から揚げやチキンナゲットなどの冷凍食品も無添加で販売しています。
秋川牧園さんの公式オンラインショッピングはこちら
お試しセットも販売しています。お試しセットの商品レビューを、こちらの記事はにまとめています。
卵
黒富士農場
出典:黒富士農場
山梨県甲斐市の標高1,100mの場所に位置する「黒富士農場」さん。
黒富士農場では、「豊かな自然環境」・「放牧」・「天然湧水」にこだわって鶏を育てています。
日本で初めて有機JASを取得した、オーガニック卵を生産しています。
採卵鶏での有機JAS取得は非常に難しく、鶏の食べるもの、飲むもの、暮らす場所、全てにおいて厳しい基準が設けられています。
非遺伝子組換え飼料・発酵飼料・有機栽培飼料を採用し、平飼い放牧で、鶏たちは自然を駆け回り、のびのびと育てられています。
黒富士農場では、リアルオーガニック卵や、放牧卵、卵を使用したスイーツなどを生産・販売しています。
オンライン販売は対応していませんが、電話やFAXで注文可能です。
黒富士農場さんの公式ホームページはこちら。
白洲郷農場
出典:白洲郷農場
山梨県北杜市白州町にある「白洲郷農場」さん。
養鶏と耕作農業が互いに支えあう有畜複合というスタイルをとっています。
白州郷牧場の鶏たちは、広く風通しのよい鶏舎を自由に駆け回りながら、仲間と暮らしています。
ひよこの時から白州の清らかな水を飲み、農場で有機栽培された野菜や草、発酵飼料を食べて育ちます。
ストレスがかからないよう、のびのび育てられ、元気いっぱいで丈夫な鶏たちです。
野菜の栽培方法に関しては、無農薬・無化学肥料。有機JAS認定もされています。
平飼いの卵や、鶏肉、有機野菜などを生産・販売しており、公式サイトで購入可能です。
白洲郷農場さんの公式サイトはこちら。
大江ノ郷自然農場
出典:大江ノ郷自然農場
鳥取県八頭郡八頭町にある「大江ノ郷自然農場」さん。
創業者がの「近代養鶏場のケージに閉じ込められ、羽がぼろぼろになったニワトリたちの現状を変えたい」という、強い思いで実現した農場です。
大江ノ郷自然牧場の鶏たちは、自然由来の無添加のえさを食べて、平飼いの自由に動き回れる環境で、のびのびと暮らしています。
また、大江ノ郷自然牧場では鶏のことを愛情をこめて「コッコ」と呼んでいるそうです。
平飼いのたまごや、卵を使ったスイーツ、だし巻き卵やソーセージなどを生産・販売していて、公式サイトで購入可能です。
大江ノ郷自然農場さんの公式サイトはこちら。
ニワトリノニワ
出典:ニワトリノニワ
高知県四万十市にある「ニワトリノニワ」さん。
四万十川の河口位置し、鶏を放し飼いし、無精卵ではなく有精卵の卵を生産しています。
1,000羽の鶏を、15,000㎡の広大な敷地で育てています。
鶏舎はありますが、24時間開け放しで出入り自由の放し飼いです。
もちろん、飼料は非遺伝子組み換え・ポストハーベストフリーのトウモロコシや大豆の他にも、地元産のコシヒカリやカツオも食べています。
抗生物質やワクチンは不使用で、薬・機械・石油に頼らず、非効率で少量生産にこだわった高級卵(池田なません)を生産しています。
公式サイトで平飼いの卵やお米が購入可能です。ニワトリノニワさんの公式サイトはこちら。
牛乳
十勝しんむら牧場
出典:十勝しんむら牧場
北海道河東郡にある「十勝しんむら牧場」さんは、牛本来の姿である放牧酪農をおこなっています。
「誰もが安心して飲めるおいしい牛乳を作りたい」という思いから、牛のえさにも配慮をしています。
良い草を食べた牛の牛乳はおいしくなるため、牛のえさとなる牧場に生えている草を育てるための土づくりを最も大切に考えています。
放牧牛乳はもちろん、「ミルクジャム」などのミルクを使用した食品を販売しています。
また、良い土作りを行ってきた十勝しんむら牧場では、豚も牛たちと同じように放牧させています。
ソーセージやハンバーグなどもオンラインショップで購入可能です。
十勝しんむら牧場の公式オンラインショップはこちら。
あすなろファーミング
出典:あすなろファーミング
北海道の十勝清水町にある「あすなろファーミング」さん。
土作り、草作り、牛作りをモットーに25年間、農薬や化学肥料を一切使わないリサイクル農業を進めている会社です。
牛にはストレスのかからない放牧を行い、飼料も国内飼料で遺伝子組み換え作物を使わない自然生態系の管理をしています。
牛乳やヨーグルト、生キャラメルやプリンなどを公式サイトで販売しています。
あすなろファーミングの公式サイトはこちら。
あすなろファーミングの乳製品は、Amazonや楽天市場・Yahooショッピングでも購入可能です。
磯沼ミルクファーム
出典:磯沼ミルクファーム
東京の八王子にある牧場「磯沼ミルクファーム」さんは、家畜福祉アニマルウエルフェアの考え方を取り入れ、乳牛の命の尊厳と自主性を尊重した牧場です。
育成牛は、放牧場で牧草を自由に食べて育った牛です。
搾乳牛は、牛舎の中で放牧され干し草を自由食べ、飲み水は牧場地下50mから汲み上げられた天然水のおいしい水を飲んでいます。
また、牛舎のベッドにはコーヒー工場・チョコレート工場よりとり寄せた、カカオ殻・コーヒー皮・豆・粉を毎朝1000㎏以上撒いているという徹底ぶりです。
低温殺菌牛乳とヨーグルトをメインに生産していて、公式サイトで購入可能です。Amazonや楽天市場では購入できません。
磯沼ミルクファームの公式サイトはこちら。
なかほら牧場
出典:なかほら牧場
岩手県下閉伊郡岩泉町にある「なかほら牧場」さん。
標高700~850mの窪地に位置し、平らな牧草地ではなく山の植生を活用する「山地(やまち)酪農」という手法を用いて、“牛なり・山なり・自然なり”の放牧酪農を行っています。
牛は広い山に一年じゅう昼も夜も放牧し、食事・睡眠・排泄はもちろんのこと、交配・分娩・哺育までを全部ウシまかせにしているため、ストレスとは無縁の生活を送っています。
なかほら牧場の製品はすべて完全なケミカルフリーで無添加です。
甘味料は自然派に人気の高いアガベシロップ。抹茶やリンゴジュースなど、コラボ食材も自然栽培品・農薬不使用です。
なかほら牧場の公式サイトはこちら。
なかほら牧場の乳製品は、Amazonや楽天市場でも購入可能です。
なかほら牧場はグラスフェッドバターやプリンも販売していて、その食品もおいしくておすすめです。(もちろん無添加です♪)
まとめ
アニマルウェルフェアにのっとって食品を生産しているメーカーを14社ご紹介しました。
普通のスーパーでは、アニマルウェルフェアにのっとった生産がされている食品を見つけることは、ほぼできません。
また、やはりどうしても価格が高いので、安い食品を選んでしまいがちです。
もちろん私もそうですが、
何回かに1回、こういった食品を選んでみる
という小さな行動だけでも充分ではないかと思います。
生き物や地球にやさしい選択をしていきたい方にとって、何かの参考になれば幸いです。
※生き物にやさしい選択をしたい方に向けて、ヴィーガンレザーについてまとめた記事がこちらです
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参考URL:
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